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好機

椎間板ヘルニアを患いながらも600万有った借金は半分を切り始めた。

しかし腰の痛みのお陰で働け無くなり、収入は激減したが、ここで一知恵思い浮かぶ…

それは会社の同僚に仕事を斡旋、その紹介手数料を受け取ると言うフザケタ内容。

最初は同僚も半信半疑ながらも、次第にその仕事の美味しさに気づき次々と仕事をこなしてくれる…

仕事の注文は全て自分の連絡先に、電話が掛かってくるので、後は同僚に電話するだけ。

直接的な収入は減ったものの権利的な収入を手にする。

そんな頃、勤務先で新規のカラオケ店舗運営の事業部を立ち上げる、との噂を耳にしたので話を聞きに行く

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腰を痛め、当時の肉体労働に限界を感じて居たので、僅かながらも上手く行けば収入が見込める?

そんな残された可能性に掛け当時の上司に新規カラオケ事業部への転属を願い出た。

給料面などの待遇の説明を受け一通りの話を聞いた後直ぐに答えは出た!

『店長をやらしてください』

やろうと思った理由は、売り上げに応じて支給されるインセンティブが非常に魅力的だった事と、

一度で良いから商売を体験したいと言う気持ちから。

勿論結果が悪ければ給料が悪くなるリスクも有ったが、当時のカラオケ店は出店する場所さえ

間違えなければ、悪くなる訳が無いのは十分に理解できていた。

勿論そんな甘い汁を簡単に吸える訳も無く、それを狙うライバルも多数出現した。

だが私も含めライバル達も所詮は考えが甘かった。

研修段階で酔っ払いの吐いたゲロの処理や、若者にアフォ呼ばわりされ、それに耐え切れ無い仲間は堪らずに去って行った。

相当辛い時期では有ったが諦めれば、また辛い借金地獄が待ち受けて居る…


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そんな事を考えれば弱音を吐く事は出来なかった。

辛い研修期間を無事乗り切ったのは、私を含めた僅か3名、最初は結構な人数がいた筈だが何人居たかは不明…

無事店長になる事を許された3名は、直ぐに新規出店の準備に取り掛かる様に指示が出た。

出店場所は既に決まって居たが、店内レイアウト・厨房レイアウト・メニュー作り・食器の選定・アルバイトの面接等・許可申請など

店作りに関する全ての事をさせて頂き、大変勉強になった時期でも有った。

開店準備には実に2ヶ月間に及び、その間、朝から晩まで黙々と働き続け、ついに開店の日を迎える事が出来た。

そして、その日を境に急激に金の周りが良く成り始める。

開店して一回目の給料。

それは驚愕の『100万オーバー』12月だった事も有りボーナスを合算しての数字だが

普段の給料の4倍、普通では絶対手に出来ない金額を手にして更に頑張って見ようと意欲が沸いた。

それからも店の売り上げは順調に上がり平均60万前後の給料を頂ける様になる。

金が入れば即返済…手元に金は一切残さず、その全てを可能な限り返し続けた。

勿論、食事は全て店の冷凍食材で済まし、生活に必要なものは極端な話トイレットペーパーに至るまで店の物を私物化し生活していた。

そしてついに全額完済の日を迎える。


【続く】

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